「政治と信仰の軸」と「自らの意志と願いの軸」を設定したのには根拠がある。

上掲の図は、クリスチャンプレスのインタビューで石破が語った「語」の類似度を表している。

石破が語った「語」と、「語」同士の距離がバブルの位置で、バブルの大きさは出現頻度を表している。ただしX軸、Y軸の意味を統計データが答えてはくれないので、石破の回答を精査・検討すると、「政治と信仰の軸」と「自らの意志と願いの軸」であるのが読み取れる。

たとえば日韓関係についての発言は、信仰ともっとも距離が置かれていると考えられる。

では石破の中で政治と信仰が完全に分離しているかというと、クリスチャン議員としての抱負を聞かれて「神様」「自分の至らなさ」「過ち」等と語っているので、これが政治と信仰の中間に位置する「語」として表示されている。

また、「世の中は争いが絶えない」ことから「いかに互いが神の前には無力」かと言い、「祈ることができるか」と問いかけ、祈りを「共有したい」とも語られている。これは石破の意志であり、児童虐待の話題は願いと言ってよい。

以上から、石破は神から選ばれし議員や首相という意識に基づいて政治に取り組み、世界のクリスチャンと祈りを共有したいと考えているのが分かる。例示された日韓関係については、カトリック信徒の文在寅と協調する重要性が説かれていると考えるべきで、その鍵が「韓国と日本が過去にどういう関係にあったのか」なのである。

回答はどのように結びついていたか

異なる性質のものが混ざった回答の中から、互いに似た性質のものを集めてクラスターにまとめてみた。

会話や文章は、いくつかの異なる題材について語られながら、一つの意味を成している。クリスチャンプレスのインタビューでは、それぞれの問いに石破が回答しているが、全体はインタビューのテーマである「政治観」を表している。

似たもの同士の語でグループ分けをすると以下のようになった。それぞれのグループ(クラスター)は「話題」を形造り、樹形図でそれぞれの結びつきが表現されている。

クラスター分析