その後、挙げられた人々について具体的な質問がなされました。

その中でも特に重要な質問は、「この人はどれくらいの頻度であなたを困らせたり、問題を引き起こしたり、あなたの生活を困難にしていますか?」というものです。

回答は、「全くない」「めったにない」「時々ある」「しばしばある」の4つの選択肢でなされました。

研究者たちは、この質問に対して「時々」または「しばしば」と答えられた人を「ハスラー(困らせ役)」として分類し、参加者にネガティブな影響を与える人物として記録しました。

たとえば山田さんというひとがあなたに「時々」あるいは「しばしば」ネガティブな影響を与える場合、山田さんは「ハスラー」として分類されます。

一方で、全くない、またはめったにないと答えられた人物は、ネガティブな影響がほとんどない非ハスラーと判断されました。

次に研究者たちはハスラーを二種類に区別しました。

1つは「単純な敵」であり、助けてくれることはなくただただストレスや困難を与えてくる人です。

もう1つは先にも上げた「フレネミー」で、助けることもあるものの批判や嫉妬、ストレスを与える人です。

次に、研究者たちは参加者全員から唾液のサンプルを採取し、そこからDNAを抽出しました。

DNAには、私たちの年齢や健康状態を反映するさまざまな生物学的情報が記録されています。

具体的には、DNAに刻まれた「メチル化」という分子レベルの目印(タグ)のパターンを解析することで、研究者たちは各参加者の「生物学的年齢」を測定しました。

この生物学的年齢とは、実際の年齢(カレンダー上の年齢)とは異なり、体の中の細胞や組織がどれくらい老化しているかを示す指標です。

たとえば、実際の年齢が40歳であっても、生物学的年齢が45歳ならば、体は実際の年齢より5歳老けていることになります。

今回の研究では、最新の「エピジェネティック時計」という技術を使い、このDNAのメチル化パターンの情報をもとに各人の生物学的年齢を算出しました。