こういう国にわざわざ移住したがる人間の心境というのは、まったく謎ですが骨の髄からの人種差別主義者であることは間違いなさそうな気がします。
そのハルデマンに溺愛されて育った娘が、南アフリカの起業家として成功していたエロール・マスクと結婚してできた子どもがイーロン・マスクだったわけです。
マスクが新興EV企業テスラ社を乗っ取るときの資金源はオンライン決済最大手にのし上がったペイパルを上場させて得たカネでした。
この上場で儲けてあちこちでベンチャー投資などしていた仲間、いわゆるペイパル・マフィアのうちでとくに仲が良かったピーター・ティールも、もともとドイツ人だった父親が一度アメリカに移住してから、南アフリカやローデシアといった人種差別国家に移住した人間でした。
「南アフリカで白人ジェノサイド」説の病理
南アフリカでアパルトヘイトが廃止され、マンデラ政権が誕生した1991年から26年も経った2017年になっても、人口の9%を占めるに過ぎない白人が持っている農地が全体の53%、人口の80%を占める黒人が持っている農地はたった22%という極端な資産格差はほとんど変わっていません。
政権こそ人口で圧倒的に多数派の黒人たちが獲得しましたが、白人圧倒的優位の経済格差はほとんど縮まっていないのです。もし、マンデラ政権主導で白人に対するジェノサイドが延々とおこなわれていたりしたら、とうていこんな数字のままではなかったでしょう。
次にご覧いただくのは、今もなお黒人のほとんどが極端な貧困状態にある中で、白人たちに奪われたままの農地をどういう手続きで収用していくかを政府役員が地域住民に説明する集会の写真が右上、その他の3枚は貧しさの実情を示す写真です。
この貧しさの中でも黒人たちはジェノサイドなどという乱暴な手段は択ばず、平和に合法的な手段で白人たちの所有している土地をいかに収容するかを議論しているのです。