具体的には、宇宙アイスのほうが成分が常に混ざり合うため結晶の成長が均一になりやすく結晶の大きさが均等に分布することになります。
これまで物体の凍結などの現象は重力のある地球環境での研究が主であり、無重力環境で反応がどのように進むかはあまり考えられていませんでした。
オズワルト熟成はアイスクリームだけでなく合金内部での金属結晶の成長にもみられる現象です。
そのため地球で作った合金と宇宙で作った合金にも微妙な違いが生まれると考えられます。
もしかしたら未来の宇宙時代では、宇宙でしかつくれない合金が戦略的に重要な価値を生むようになるかもしれませんね。
全ての画像を見る
参考文献
Gravity Alters the Dynamics of a Phase Transition
https://physics.aps.org/articles/v17/104
元論文
Decay Dynamics of a Single Spherical Domain in Near-Critical Phase-Separated Conditions
https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.133.018201
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部