安全な治安と2002年大会の開催経験でFIFAからの信頼性が高いが、高齢化による経済縮小が課題だ。特に地方の過疎化が進み、そこに新たなサッカー専用スタジアムを建設するには乗り越えるべきハードルが多いため、東京や大阪でグループステージのみを行う補助的存在として大会開催に貢献するというプランが現実的とは言えないだろうか。
韓国:日本と似た問題、人口動態が…
韓国は日本以上に少子高齢化に悩まされている。その人口は2024年の約5,100万人から2046年には約5,000万人前後で推移すると予測されている(出典:韓国統計庁)。平均年齢も44歳から50歳前後に上昇するとされている。ソウルワールドカップスタジアム(収容人員約6万6,700人)や釜山アジアドスタジアム(収容人員約5万3,900人)はFIFA基準を満たすが、改修工事を施すとすれば、資金面での不安が生じる。日本と似た問題を抱えているのだ。
韓国も同様に治安面の問題はなく、2002年大会の開催経験がある。財政面では東南アジア諸国と比べて優位にあるものの、共催という形態や他国との調整によって開催規模が限定される可能性もあるため、資金力の面で東南アジア諸国に劣る。ソウルや釜山でのグループステージ開催にとどまる可能性が高いだろう。
中国:主導的役割は徐々に後退
中国は長年続いた「一人っ子政策」の影響で人口増加が鈍化し、国連の人口予測や中国国家統計局のデータによると、2024年の約14億1,000万人から2046年には約14億人台を維持するとされている。平均年齢は39歳から約45歳へ上昇が見込まれる。かつて10%を超えた経済成長率は近年鈍化し、不動産バブルの崩壊や過剰債務の問題も指摘されている。北京や上海は世界に誇る大都市でインフラは強力だが、都市部と地方の格差は広がるばかりで、アジアにおける主導的役割は徐々に後退していくものと予測されている。