インドネシアは豊富な天然資源、巨大な内需、若年層中心の人口構成、ASEANにおける重要な地位を背景に、持続的な経済成長と国際的な地位向上が期待されている。世界第4位の人口規模を持ち、若い労働力が今後の経済発展の大きな強みとなる。GDPはASEAN最大であり、平均経済成長率はおよそ5%で安定している。さらに2050年にはASEAN全体が世界第4位の経済圏となる予測があり、インドネシアはその中核として高い成長ポテンシャルを評価されている(出典:アジア開発銀行)。

ASEANのリーダーとして年々存在感を向上させており、2046年大会が決まれば、首都のジャカルタは経済成長と若い労働力を背景に、FIFA基準のスタジアム整備を主導できるだろう。


候補各国のGDPと一人当たりGDP予測

2024年の名目GDPは、IMFによると中国が約18兆7,000億ドル、日本が約4兆2,000億ドル、韓国が約1兆8,000億ドル、オーストラリアが約1兆7,000億ドル、インドネシアが約1兆4,000億ドルとなっている。2046年には中国が30兆ドル超で世界トップを維持する一方、インドネシアは約5兆ドルに達し、世界の上位5位以内に成長すると予測されている。日本は5位前後、韓国とオーストラリアは10位前後に位置するとされる(出典:PwC「2050年の世界」)。

一人当たりGDPの予測では、オーストラリアが約7万ドル、日本が約4万ドル、韓国が約5万ドル、中国が約2万5,000ドル、インドネシアは約1万ドルと見込まれている。インドネシアは人口規模の大きさを活かしGDPを牽引し、首都ジャカルタは経済ハブとして国際的な投資を集める都市となる見込みだ。

候補各国の貿易収支、外貨準備高、経済成長率

中国は2024年の貿易黒字6,000億ドルを2046年も5,000億ドル以上で何とか維持、外貨準備高は3兆ドル超。日本の貿易収支は赤字(マイナス1兆円)から均衡へ、外貨準備高は1兆3,000億ドル。韓国は黒字500億ドル、外貨準備高4,000億ドル。インドネシアは資源輸出で黒字300億ドル、外貨準備高は2,000億ドルから3,000億ドルへ増加。オーストラリアは黒字600億ドル、外貨準備高1,000億ドルと予測される。日本の外貨準備高の高さは為替介入への備えという側面があり一概に比較できないが、インドネシアの外貨準備高の増加はジャカルタのインフラ投資を支える。