中国は、開催地がサウジアラビアに決まった2034年大会に立候補すると予測されていたが、その最中に不動産バブルが崩壊し、“サッカーどころではない”状態に追い込まれ、招致活動を断念。一時は世界を席巻した中国スーパーリーグも急速に競争力を失った。
北京や上海などの都市部は経済力とインフラが強いが、中国政府の国際的信頼と地政学的緊張が課題となる。オリンピックの夏季大会(2008年)との冬季大会(2022年)を成功させた唯一の都市である北京、そして上海でのグループステージ開催が現実的な落としどころではないか。
オーストラリア:推移に安定性はあるが…
オーストラリアの人口はオーストラリア統計局の予測によると、2024年の約2,700万人から2046年には約3,200万人に増加すると見込まれている。平均年齢は38歳から約40歳へと緩やかに上昇し、比較的安定した推移が予想される。シドニーやメルボルンなど主要都市の高度なインフラは強みとなる一方で、東アジアや東南アジアからの地理的距離が大会開催における課題となる可能性がある。
政治的安定性とシドニー五輪(2000年)の開催実績があるが、地理的な問題は如何ともし難く、グループステージ数試合の開催にとどまるだろう。

インドネシアの台頭とジャカルタを中心としたW杯開催の展望
ここで東南アジアに目を向けると、インドネシアの人口は国連の予測によると、2024年の約2億7,900万人から2046年には約3億人に増加するとされている。平均年齢も30歳から約33歳と若く、首都ジャカルタの人口は約1,100万人から2046年には約1,400万人に増加が見込まれている。ジャカルタ国際スタジアムは開閉式屋根を備え約8万2,000人収容、同市内のゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムも約7万7,000人の収容能力を誇る。