むしろ、こんなことが起きるのは「外国の工作に違いない!」といった主流派の過剰反応こそが、真の危険だ。それはこの世界は「むちゃくちゃだ」という感覚を強め、かえって現状を全否定する政党ほど有利にする。叩いている相手に養分をあげる、典型的なマッチポンプである。
今回、参政党がミニ政党の規模を脱して、民意のバロメーターとして機能する議席数を得たのは、いいことだ。今後も世の中の「前提自体がまちがっている!」という空気が続くなら、次の選挙でも伸びるし、逆にそうした現状が改まるなら、自ずと議席を減らすだろう。
れいわとN国の進出が注目された、2回前(2019年)の参院選の後、日本でも同時代の欧州(イタリア)に似た動向は見られるが、遥かに速度がゆっくりで中途半端だと評価する記事を書いたことがある。6年経って、今回はそこから、だいぶアクセルが入った。それが妥当な位置づけだろう。