攻撃的なスタイルは観客を魅了するが、失点数の多さが昇格争いの足かせとなることは明らかだ。例えば、昨シーズンのJ2昇格プレーオフ進出チームの平均失点数が約40点だったのに対し、福島の43失点は既にこれを上回っている。

今後、福島がJ2昇格を果たすためには、攻撃力を維持しつつ守備の安定性を高める必要があるだろう。選手層の厚さも課題で、特に守備陣のケガや疲労が失点増加の一因となっている。

寺田監督は守備のテコ入れにも取り組んでおり、相模原戦でのクリーンシートはその兆候と言えるだろう。相模原戦ではGKを含めた守備陣の頑張りが目立ったが、シーズンを通しての継続性が求められている。また、若手のMF狩野海晟やMF中村翼といった戦力が台頭すれば、攻撃のバリエーションが増し、守備の負担軽減にもつながるだろう。選手の成長がチームの今後の鍵を握っている。

相模原戦での勝利は、新たなスタイルが結果に結び付く可能性を示した。守備の改善が今後の課題だが、福島の超攻撃的サッカーは、J2昇格を目指す過程で、地域の誇りとサポーターの心を掴み続けるだろう。