一方、3月26日ルヴァン杯ファーストラウンド1回戦のJ2北海道コンサドーレ札幌戦(とうほう・みんなのスタジアム)では、3-3からの延長戦で3ゴールを叩き込み、6-3で格上を撃破。4月16日同2回戦のJ1柏レイソル戦(とうほう・みんなのスタジアム)でも2点先制されながらも一度は追い付き、2-3の接戦を演じた。
さらに、6月11日の天皇杯2回戦では、業務提携を結んでいる川崎と対戦(Uvanceとどろきスタジアム/3-4)。先制したものの逆転され4失点したが、終了間際に立て続けに2得点を奪い、冷や汗をかかせた。試合が終わるまで何が起きるか分からない、ビックリ箱のようなチームカラーを持つのが福島の特色だ。

なぜ失点が多くても攻撃にこだわるのか
寺田監督は、リーグ戦3連敗となった7月5日のツエーゲン金沢戦(1-2)後、「福島サポーターと苦しい状況を一緒に共有しながら、なんとか乗り越えて、最終的に喜んでもらえるようにしなければいけない」と語った。攻撃サッカーは、サポーターに希望を与え、スタジアムを盛り上げるための手段でもある。
また、J3はJ2昇格を目指す競争が激しく、勝ち点だけでなく得失点差や総得点も重要な指標となる。守備を固めるよりも、得点を重ねることで上位進出を狙う戦略を取っていると言えよう。ただし今季は失点癖がネックとなり、終盤のプレーオフ進出争いでは不利となる可能性もある。
福島の得点数は、第20節終了時点でリーグ首位の栃木シティ、2位のFC大阪、5位の鹿児島ユナイテッドと並ぶトップタイの32得点。失点数とのバランスが悪い印象を残すが、得点を取ることで試合をコントロールし、上位進出を狙うと考えているようだ。
相模原戦はロースコアの一戦だったが、福島の試合は総じて高スコアの試合が多い。
