残る約77%はどうかというと、同じ強さの不安でも「月曜日に感じた」という条件だけで、他の曜日に感じた場合よりも体内でいっそう強いストレス反応が起こることに由来していました。

つまり、“月曜日”という曜日そのものが持つ特別な効果が、コルチゾールを押し上げる大きな要因になっている──このことがデータからはっきり示されたのです(※理由は後述)。

言い換えれば同じ強さのストレスや不安でも、火曜日や水曜日よりも月曜日に感じた方が、はるかに私たちの身体に深く刻み込まれるということです。

他の曜日で感じた不安と、その後のストレスホルモンの量との間には明確な関連は見られず、唯一月曜日だけが際立って強い影響を示したことからも、この結論はより一層確かなものとなりました。

月曜日という曜日が私たちの身体にこれほど深く影響を与えているとは、いったい何が原因なのでしょうか?

曜日が持つこの不思議な力の正体について、研究チームはさらなる調査を続けています。

月曜日そのものが概念化して生物学的反応を引き起こしている

月曜日は「概念化」して私たちの体に生物学的ストレスを与えている
月曜日は「概念化」して私たちの体に生物学的ストレスを与えている / Credit:Canva

今回の研究によって、「月曜日に感じる憂鬱や不安は単なる気分の問題にとどまらず、生物学的なストレス反応として私たちの身体に深く刻み込まれている可能性が示されました」。

これまで、月曜日特有のストレスや気分の落ち込みは、主に心理的な現象として語られてきました。

しかし今回の研究成果は、この現象が体内のホルモンバランスを乱し、長期間にわたって健康に影響を及ぼす可能性を具体的に示したのです。

週明けに感じる不安がストレスホルモン(コルチゾール)の慢性的な増加を引き起こすと、それは単なる一時的なストレスとは異なり、心臓病や糖尿病、高血圧、さらには免疫力の低下といった重大な健康問題をも引き起こしかねません。

研究者たちはこの現象を「文化的なストレス増幅装置」と名付けました。