逆に言えば、月曜日のストレスにきちんと向き合い、積極的に対処することで、私たちは健康へのリスクを軽減できる可能性もあります。
たとえば、週末から月曜日への移行を少しだけ柔らかくする工夫を取り入れることは効果的かもしれません。
仕事や学校でも、月曜日の朝の過ごし方を少し変えるだけでストレスを和らげることができるかもしれません。
月曜日の朝にゆったりとした時間を設ける、軽い運動を取り入れる、職場や教室での短い談笑タイムを作るなど、ちょっとした変化が体内のストレス反応を穏やかにしてくれる可能性があります。
また、研究者たちは今後、「なぜ月曜日のストレスをあまり感じない人がいるのか?」という新たな疑問を追求していきます。
ストレスに強い人たちの特徴や、月曜日特有のストレスに対するレジリエンス(回復力)のメカニズムを解明することで、より具体的で効果的なストレス対処法や健康管理の方法を見つけ出すことができるかもしれません。
月曜日に私たちが感じる憂鬱は、決して「気のせい」や「怠け心」と片付けるべきものではありません。
今回の研究が示したように、週明けの憂鬱感は私たちが自分自身の心と身体を理解するための大切なヒントなのです。
もし次の月曜日の朝、気分が重くなったとしても、それはあなたの体が「少し優しくしてほしい」と訴えているサインなのかもしれません。
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元論文
Are anxious Mondays associated with HPA-axis dysregulation? A longitudinal study of older adults in England
https://doi.org/10.1016/j.jad.2025.119611
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。