2. 既存政党の機能不全の裏返しという視点は必要
こういう「新しい陰謀論」のモードって、そもそもコロナ禍前後あたりの既存政党のありかたがそのまま反映されてる面はあると思うんですよね。
「今の日本の政策のどこがズレているのかを丁寧に掘り下げて、どこをどう変えればいいのか?を主張する」
こういうこと↑がちゃんとできていて、議論が正常に進行していたら、陰謀論に持っていかれることもなかった。
・本当はたった一つ単純な”コレ”をやるだけで全部良くなるのに。 ↓ ・対立するあの”敵勢力”が自分たちのエゴや私利私欲のためだけにそれを邪魔している。 ↓ ・だからその”敵”を排除しさえすれば全部解決するのに、日本国民は馬鹿だしマスコミは偏向しているからダメなんだ
‥というお手軽三段論法陰謀論を放言しまくってる人たちが右にも左にもたくさんいましたよね。
特に、「排外主義右翼」の人がこういうことをいうのはまあ良かったんですよ。なぜならそういうのは明らかに陰謀論風味に聞こえるので一定以上の勢力にはなりえないから。
一方で、”誰”とは言いませんけど!ある種の「戦後知識人」的なインテリの系譜の人たちまで、現実の日本社会に何が起きていてどこをどうすればいいのか冷静に考える議論に全然参加せずに、上記の「お手軽三段論法陰謀論」を撒き散らしていたのは、ほんと僕は怒りを通り越して悲しい気持ちになっていました。
そういう「お手軽三段論法陰謀論」を左派側も弄んでいたら、それから参政党や「れいわ」までの距離はほんとあと数センチでしかないというか、「それでいいのか」というお手軽な方向にどんどん流れていったのは当然の結果みたいなところがある。
3. 「メタ正義」的に現実に立ち向かう議論を立ち上げられるか?
どうやってこういう「陰謀論ポピュリズム」に対抗していけばいいかというと、まずはそういうムーブメント自体が持っている「民衆の欲求」自体はキチンと受け止めていくことが必要なんですよね。