「おひとりさまの老後」は社会全体で育てられた次世代の働きによってのみ支えられる。
権利と義務の社会を再生する
この事実を軽視した権利主張だけでは、未曽有の「少子化する高齢社会」そして「縮減社会」への対応は不可能である。
高齢社会のリスクと課題および高齢者個人が直面するリスクと課題を仕分けしつつ、制度改革の具体案と実行期間、そして財源の捻出方法について速やかな合意を図る時期が来ている。参院選でも単なる金銭のバラマキ批判などではなく、このような本格的な議論が深まることを切に願っている。
社会学的想像力を発揮しよう
社会学を学ぶのならば、ミクロな視点でもマクロな方法でも自らの「少子化する高齢社会」政策論を持つ努力を続けることは必要条件といってよいであろう。なぜなら、近未来における「少子化する高齢社会」システムへの対応そして「縮減社会」への軟着陸こそが、日本全体の試金石となるからである(金子、2006)。
【参照文献】
金子勇,1995,『高齢社会・何がどう変わるか』講談社. 金子勇,2004,「子育て基金を創設せよ」『日本の論点』文藝春秋社:490-495. 金子勇,2006,『少子化する高齢社会』NHKブックス. 金子勇,2013,『「時代診断」の社会学』ミネルヴァ書房. 金子勇,2023,『社会資本主義』ミネルヴァ書房. 野田聖子・古川康・金子勇,2007,「少子化座談会―切り札は『育児保険』」『読売ウイークリー』第66巻第10号:88-92(3月4日). 大沢真理,2002,『男女共同参画社会を作る』NHKブックス. 大橋照枝,1993,『未婚化の社会学』NHKブックス.
・時代解明の「縁、運、根」の社会学:問題意識と方法 ・『コミュニティの社会理論』の「縁、運、根」 ・『高齢化の社会設計』の「縁、運、根」 ・『都市高齢社会と地域福祉』の「縁、運、根」 ・『マクロ社会学』の「縁、運、根」 ・『高齢社会・何がどう変わるか』の「縁、運、根」 ・『地域福祉社会学』の「縁、運、根」 ・『高齢社会とあなた』の「縁、運、根」 ・『社会学的創造力』の「縁、運、根」 ・『都市の少子社会』の「縁、運、根」 ・『高田保馬リカバリー』の「縁、運、根」 ・『社会学評論「還暦社会」特集号』の「縁、運、根」 ・『社会調査から見た少子高齢社会』の「縁、運、根」