最後に、日本で「代耕」が成り立つかどうかを考察してみる。

まず面積と生産量だが、国土面積は台湾が360万haで日本は3,778万haだ。耕地面積は台湾が約80万haで、内訳は水田と畑地が約40万haのほぼ半々。日本の耕地面積は約430万haで、うち232万ha(54%)が水田である。つまり、日本は台湾に比べ、水田面積で5.8倍、生産量で5.4倍あるので、数字の上では「代耕」が成り立ちそうである。

次に田植えと稲刈りの時期だが、これもネットに載っている。

先ず全国の田植えの時期は、地域別におおよそ以下のようだ。

1月下旬:沖縄(島嶼部) 3月中旬〜下旬:沖縄(本島)、九州 4月下旬〜5月上旬:千葉、三重、滋賀 5月上旬〜下旬:北海道、茨城、栃木、東北 5月中旬〜6月下旬:中国・四国・近畿(三重・滋賀を除く)・北信越・東海・関東(千葉・茨城・栃木を除く)

都道府県別の出穂と稲刈りの時期は以下で、概ね9月初めから10月半ばまでに稲刈りが行われるようだ。

都道府県 出穂 刈取

北海道 7.31 9.29

青森 8.5 10.2

岩手 8.6 10.3

宮城 8.6 9.29

秋田 8.3 9.29

山形 8.6 9.3

福島 8.9 10.9

茨城 8.2 9.13

栃木 8.4 9.22

群馬 8.21 10.2

埼玉 8.12 9.25

千葉 7.21 9.1

東京 8.14 10.4

神奈川 8.11 9.29

新潟 8.6 9.19

富山 8.5 9.18

石川 7.3 9.1

福井 8.4 9.11

山梨 8.11 10.2

長野 8.9 9.29

岐阜 8.21 10.1

静岡 8.7 9.21

愛知 8.2 10.5

三重 7.22 9.4

滋賀 8.2 9.16

京都 8.2 9.22

大阪 8.22 10.7

兵庫 8.13 9.29

奈良 8.23 10.11

和歌山 8.6 9.17

鳥取 8.9 9.26

島根 8.8 9.17

岡山 8.21 10.6

広島 8.9 9.26

山口 8.12 9.18

徳島 7.19(早期)/7.31(普通) 8.22(早期)/9.7(普通)

香川 8.2 10.1

愛媛 8.13 9.23

高知 7.2(早期)/8.17(普通) 8.8(早期)/10.2(普通)

福岡 8.23 9.3

佐賀 8.3 10.9

長崎 8.26 10.12

熊本 8.22 10.8

大分 8.24 10.14

宮崎 6.24(早期)/8.23(普通) 8.8(早期)/10.12(普通)

鹿児島 6.26(早期)/8.26(普通) 8.9(早期)/10.17(普通)

沖縄第一期 5.21 6.22

沖縄第二期 10.11 11.12

台湾は、二期作とはいえ国土は九州並みだ。よって、田植えや稲刈りの時期は日本以上に集中するはずだ。21万戸余りの農家があり、経営規模に関わらずその約9割が「代耕」を使っていて、代耕業者1社で20~40戸の農家から請け負っているとすると、少なくとも数千社は存在するはずの代耕業者の経営が成り立っていることになる。