中野:私の記憶の中で言えば、「サメ映画」とは次のようなものです。

・メーカーさんや製作者さんが「サメ映画」として売り出してるもの
・宣伝の際に「サメ映画」関連のキーワードが入っているもの
・ジャケットやパッケージにサメが入っている
・アニメとかドキュメンタリーは除外
・15分など短編は除く

特にアニメやドキュメンタリーはサメが出ていても違う話になってくる可能性が高いということで、我々の中では除外していますね。それから、サメ映画学会発足当初の頃は、「サメによる恐怖演出があるもの」という条件もありましたが、そこは今崩れつつあります。

サメ映画ルーキー:そうですね。定義の中でも特にふわっとしているのは、「『ジョーズ』的な要素を含んでる作品か」という点です。

ジョーズもそうですけど、 ジャケットなりポスターなりにサメがドーンと映ってますよね。それを見たら、大多数の人は「これはサメ映画だ」という風に判断せざるを得ないと思っています。

サメ映画をこよなく愛する【日本サメ映画学会】とは? 顧問と会長にインタビューしてみた『ウイルス・シャーク』予告編より(2020年/アメリカ/74分/配給:NISHIKURA-EX)

サメが人を襲う描写の重要性

あと、タイトルに「サメ」「シャーク」、あるいは「ジョーズ」が入ってたりとか、そういうサメを押し出したようなタイトルが、原題や邦題でついてたりしたら、それも外側だけで見てこれはサメ映画だっていう風に判断するようにしています。

でもそれだけじゃなくて、映画の中で「サメが人を襲う」っていうのが一番重要な要素です。サメが人に危害を加えるような描写はやっぱり、サメ映画として重要だなっていう風に考えてます。

味方のサメはサメ映画と言えるのか?

───なるほど。「サメによる恐怖演出」は確かに基本ではありますが、ありそうでなかった視点ですね。サメ映画やパニック系の映画は「人vsサメ」あるいは「○○vsサメ」という雛形に沿ったお話が多いように感じます。サメ映画の定義にのっとれば、「人間の味方のサメ」が出てくる映画は存在しないということになるんでしょうか?