そのため、欠勤を有給休暇に振り替えることができるのは、会社が認めた場合に限られます。会社が認めなければ欠勤を有給休暇に振り替えることはできないのです。
病欠での欠勤を有給休暇に振り替える処理は、通常よく行われている処理ですが、あくまで会社の善意で振替を認めているということを知っておきましょう。
やむを得ない理由の欠勤を有給休暇に振り替えることを会社として認めているか否かは、就業規則に記載されています。「やむを得ない理由で事前に申請できない時は、欠勤を有給休暇に振り替える場合がある」などの文言がないか確認してみてください。
欠勤を有給休暇に振り替える際に気をつけなければならない点があります。「有給休暇が残っているから、欠勤を有給休暇に振り替えてあげよう」と自動的に振り替え返るのは違法だということです。
会社が従業員の有給休暇を会社が勝手に消化することは、有給休暇の計画付与や時季指定といった例外を除いて違法になります。有給休暇は本人の申し出があってはじめて使用できるものだからです。
欠勤の有給休暇への振り替えは、あくまで従業員本人から希望があり、会社が事後の振り替えを認めた場合のみに実行できるものであることを理解しておきましょう。
欠勤が多い従業員をクビにできるか?
欠勤が労働契約違反だとすると「欠勤でクビになることはあるのか?」と気になる人もいるでしょう。
会社は「従業員が気に入らない」などの合理性に欠ける理由で雇用契約を解除することはできません。しかし、客観的に合理的と認められる正当な事由がある場合は、雇用契約を解除することが可能です。これを解雇といいます。
従業員が長期間にわたって欠勤が続く場合や無断欠勤を繰り返すような場合は、業務に支障が生じます。そのため、状況によっては欠勤は解雇の正当な事由と認められます。ただし、欠勤を理由として解雇を行う場合は就業規則に解雇事由として明記しておくことが必要です。