さらに、補強のタイミングも重要だ。夏の移籍市場(7月7日~8月20日)での迅速な動きが求められるが、ケガ人の復帰時期やチームの戦術変更の進捗を見ながら、適切な選手を獲得する必要がある。外国人選手の補強が成功すれば、攻撃力向上に繋がる可能性が高い。


秋葉忠宏監督 写真:Getty Images

勝ち点3がマストとなる戦いへ

清水が降格圏との勝ち点差8ポイントを跳ね返しJ1残留を果たすためには、上述の通り、まずはこれ以上のケガ人を出さないための見直し、選手層の薄さの解消、外国人選手の補強が重要と言える。

外国人選手の補強は、チームの戦術に合った選手を選ぶことが重要だが、FW北川独りに頼り切りだった点取り屋や、DF高橋の穴を埋めるセンターバックを優先的に獲得すべきだろう。既に噂レベルでは外国人FW補強が囁かれているが、反町康治GMをはじめとしてスカウティングの精度を高め、コストパフォーマンスの高い選手を見極めることが成功の鍵となる。

加えて、秋葉監督は試合ごとに戦術の柔軟性を高め、選手の特性を最大限に活かす布陣を模索する必要がある。ケガ人の影響でチーム内に動揺が広がる中、結束力を高めるリーダーシップが求められる。高橋の復帰をモチベーションにチーム一丸となって戦う姿勢が重要であり、このあたりの選手への働き掛けは、モチベーターでもある秋葉監督の手腕に期待したいところだ。

清水はこの後、7月5日の第23節町田ゼルビア戦(町田GIONスタジアム)、7月16日の天皇杯3回戦、湘南ベルマーレ戦(レモンガススタジアム平塚)を挟んで、7月20日の第24節には、4月9日の第9節で苦杯を喫した横浜FCをホームで迎え撃つ。後半戦で、巻き返しを図るためには勝ち点3がマストとなる戦いだ。町田戦と横浜FC戦で勝ち点6を上積みできれば、この試練も乗り越えるだけではなく、チームとして一皮剥ける可能性は十分にある。