(ネジが一本抜けている政治家集団が政権をとって、本当に積極財政と大減税のようなことをやってしまって、トラス政権の時のイギリスのようになっても困るわけだが。)

既得権益に切り込むことは大事だが、医療の現場だって医師不足や慢性的な病院経営赤字の中で、診療報酬にしても、薬価にしても、大きく削ることは難しいし、本質的な抜本的改革はできない。これまでは恵まれていた開業医を巡る状況も刻刻と変化しつつある。

さて、色々と書いて来たが、このあたりで、既にほのめかしている今の政治や選挙に対する違和感の正体をずばり書こう。整理すると、ずばり3つだ。

① 各政党の主張は、国民へのサービス合戦になっているが、ごくごく限られた原資をどう再分配するかの細かな違いについて争われても、正直、響かない。

日本の企業や個人の相対的弱体化(国際競争力喪失)により、日本国は貧しくなっているのであって、一人当たりGDPなどで考えて、もはや、日本は先進国とは言えない国になりつつある(2024年は38位)。台湾にも、先般は韓国にも抜かれ、傾向としては、ますます競争力は減退している。約200か国あって40番くらいだからまだ良いではないか、と今は思っていても、気づいたら真ん中くらいで、大半の東南アジア諸国より下、なんて事態にもなりかねない。

税金が多少安くなったって、或いは、社会保険料が若干安くなったって、日本は相対的にどんどん貧しくなるわけであり、エネルギーを買ってくるにしても、医療機器を買ってくるにしても、どんどん日本国全体の家計は苦しくなるわけであり、また逆に、日本の国土も企業も割安でどんどん買われる話になる。

手取りが、再配分で若干上がる話とか、竹やりで外国人を追っ払うみたいな、威勢だけの良い話をされても、本質的な日本(日本人)の強化に響く話をしないと意味がない。

② 本質的に日本を強くするには、稼ぐ企業や稼ぐ個人を沢山作らないといけないわけだが、今、それがうまく行っていない。世界での競争力のない個人や組織が日本社会に溢れてしまっている。そんな中で、耳あたりの良い事ばかり言われても、正直響かない。