A:自民党が絶対的に強い状況 ⇒ B:自民党がスキャンダルで弱体化 ⇒ C:自民党に選挙で国民がお灸をすえる ⇒ D:自民が凋落して、野党が勢いを増す(時に政権を取る) ⇒ E:不慣れな野党が力を持つことにより国政その他が混乱 ⇒ F:再び自民党が絶対的に強い状況になる、の繰り返しだ。それで、日本の状況が好転しているのであればいいのだが、残念ながら、経済も社会もどんどん低迷し、混乱を極めて来ている。いわば負のスパイラルだ。
そういう中で、唯一の光明が私の分析によれば、(2)の地域密着型という希望だ。即ち、当該地域のために尽くす、という地域政党が、ブームだけではない地位を確立することである。実際に、大阪における維新の会や、東京における都民ファーストのように、10年以上、勢いを保ち続けていて、改革を志向していて、という政治集団が出始めている。
前回の衆院選の際の大阪や、今回の都議選を見ればわかるように、そうした地域系政党が、自民党を典型とする既存政党を当該地域においては完全に凌駕するようになっているのであるが、それがまだ、日本全体への広がりになっていない。各地での改革派保守政党の誕生とその連携、ということが実現すると、これは大きな勢いとなる。
2. 参院選を前に思うこと:国民へのサービス合戦の政治では変わらぬ日本の病巣
そんな中、間もなく参議院議員選挙の投開票が行われるが、正直、(1) や(2) を踏まえた上記の私の分析に沿った動きがないので、残念ながら、各種の選挙解説がとてもむなしく聞こえる。
“政治屋”系の方々は、「自公が過半割れか否か」について、せっせと票読みをする。私も、政治屋の末席でもあるので、自民は、非改選が75あって、比例で悪くとも12、公明も悪くとも12、複数区で悪くとも12あるので、32の一人区において「14勝18敗」で良い勘定だ(合計50議席獲得で、非改選と併せて過半の125議席)。さすがにそれくらい(全体で過半数を割らないくらい)は勝てるでしょう、みたいな解説をしている。が、何とも空疎である。