要は、政治家、特に保守関係者は、主導権争いも相まって、少しの違いを大きな違いにしてしまいがちなのだ。

話が少し脱線してしまった。都議選に戻したいと思う。今回の都議選の結果の総括については、表面的な解説としては、以下のようなものが代表的であろう。

① 自民党が裏金問題などで大きく議席を減らした。

② 裏金問題を越えて、既存政党はその集票力を減退させている。自民党だけでなく、公明党や共産党などの「伝統的政党」が議席を軒並み減らした。

③ 一時の勢いは失いつつあるものの、底堅く0⇒9議席と躍進した国民民主党や、やはり0⇒3議席を獲得した参政党など、保守的な新党が伸びた。

④ 都民ファーストは実は前回と同じく31議席だが、事実上のオーナーとも言うべき小池知事がかなり全面的に支援に入り、同氏の保守的スタンスもあって、国民民主党や参政党と同じく、保守票を吸い上げた。一方で同じく保守の維新は東京では地歩を失いつつある。

⑤ リベラル票は、共産党が失った議席(前回より5議席減)を立憲民主党(前回より2議席増)などが吸い取った感じが強く、れいわ新選組は、議席を獲れなかった。

これらの解説は、まったくその通りだと思う。 ただ、あまり世上言われていない私なりの整理を二つ付け加えるならば、以下の二つだ。

(1) 現状への不満は多々あるが、それを吸い上げる決め手となる政党がないことが判明した。都民ファも比較第一党とはいえ、前回と議席数は同じである。

政治家や政党が馬脚を現してしまうケースや、一億総ネット中毒になりつつある国民(特に都会民)側の問題もあって、「飽きる」のが早くなっていることが作用してるケースなど、様々な要因はあるが、要は、新しい政治集団・政党が出来ても、半年〜2年くらいで、飽きられていってしまうことが常態化している。

具体的には、維新は、一時の勢いはどこへ行ったか、全国的には完全に下火になりつつある。石丸氏の再生の道は、藤川氏亡きあとの選挙戦術のまずさもあったが、1議席も得られない結果となった。国民民主も、元々言われていた二桁の議席は得られずにやや失速し、れいわ新選組なども一議席も取れず。