一時は小池さん主導で「希望の党」として、国政を通じて全国的に打って出る動きもあったが、その野望はその時はかなわなかった。ただ、今後、再び、そのウィングを東京以外に広げようという動きが出てこないとも限らない。

つまり、主語を大阪にするか東京にするかの違いだけで、両党とも思想的には保守を中心とした改革志向の方々の集まりで、本質的にはあまり違わないように思える。はっきり書けば、地域の違い以外は、極めて似ている。どうして組めないのか、組まないのか。

実は、そういう話、すなわち、維新と都民ファで手を握れないのか、という話を二人(先述の都民ファ党首の森村さんと、東京維新の会代表の阿部さん)に真剣に校長・塾頭として持ち掛けたこともある。なぜ、同じような改革保守の若者の候補者を発掘している(取り合っている)両党・お二人が組めないのか、もったいないよ、と。大阪は維新、東京は都民ファで、理念としては、「地域から日本を変える」ということで一緒に仲良く動けば良いではないか、と。

それについては、ここでは書けないような経路依存性のある内部事情(要は積み重なった人間関係の事情・・・)もあるし、同じだけのメリット感があるかないかなどの事情もあるのだが、本質的には、政治というのは一種の主導権争いでもあるので、有名なミヘルスの理論ではないが、民主的に皆でオープンに、とはならないことが大きい。

いわんや、ミヘルスが示唆しているように(リベラル・民主集団ですら、、、という形で)、保守的な政治集団においてはその傾向はより顕著になる。政治に限らず、特に保守の仲間というのは分裂しやすい。

なぜ、安倍晋三さんと石破茂さんが不仲だったのか、高市早苗さんと小林鷹之さんは何故組めないのか、保守を自認する小池氏は、「排除します」と言って自爆してしまったのは何故なのか、参政党が最初に売り出していた5人は神谷氏を残して、いつ皆さんいなくなってしまったのか、個人的には、新しい教科書をつくる会が内ゲバのうちに終わっていく様子を学生時代に眺めていた頃から、「保守同士って、優秀な人であればあるほど仲たがいするんだなぁ」と感じるものがあった。