さて、気づいたら8000字を超えてしまった。ここまでお付き合い頂いた方には感謝しかない。随分と嫌われることを書いてきてしまった気がするが(途中で読むのを止めた方が増えたことと思うが)、まあ仕方がない。最後に、こうした現実を踏まえての日本の突破口について書いてみたいと思う。基本的に絶望しかないのであるが、光明はないわけではない。

それはずばり、政治に期待するのではなく、自らが、まず、地域社会の維持のために、少しでも付加価値を生む仕事をする、ということである。出来れば、新たにGDPを生み出すような、特に「外貨」を稼ぐ(域外や、海外からの稼ぎを作る)仕事だ。

つまり、大阪における維新や東京における都民ファの話、或いは、競争力という話などについて、ここまで縷々述べて来たとおり、政治も経済も社会も、①地域ということ、②付加価値を生み出すということ、が鍵なのだ。

日本社会にとって重要な“センターピン”に忠実に迫るのであれば、今すぐ、力のある方々は、各地で事業を興すことが急務であろう。トヨタも、コマツも、日立も、そのまま市の名前になっているが、各地における起業が元になっている。それが、人々の生活を支え、社会を維持している。

年初に、石破総理と会う機会があり、地域で活躍する経済人を2人ずつ2回にわたってご紹介申し上げた。そのことなども刺激になられたのか、そこでご紹介した、前橋の街づくりに携わるメガネメーカー・小売りのJINSの田中仁社長のご案内で、今月の頭に総理は前橋を実際に視察され、その場で、「民間主導の新たなまちづくり」ということのための会議の立ち上げを宣言され、先週、官邸で、関係閣僚などがズラッと揃う中で、田中さんが第一回のプレゼンをされた。

民間人たちがお金を出し合って、まちづくりを考える一般社団「太陽の会」のサポートを、設立総会で講演をさせて以来、弊社や私の方で担わせていただいているが、学ぶことが多く、希望を感じる。