(5)解決策としての「ウクライナNATO非加盟」「この問題をうまく切り抜けるには、双方が、この交渉を脅迫のようなものから、相互に見返りを得るようなものに変えなければならないだろう…打つ手に乏しいにもかかわらず、アメリカの交渉チームは、ウクライナが将来のどこかの時点でNATOに加盟するオプションを保持すると今も主張しているようにみえるが、この結果こそモスクワがまさに拒絶したいのだ。もしアメリカとNATO諸国がこれを外交により解決したいのならば、現実的な譲歩をしなければならないだろうし、望むものすべてを手に入れることなどできないだろう。わたしはあなた以上にこの状況が好きではないが、それは合理的な限界を超えてNATOを愚かにも拡大したことへの払うべき代償なのだ」
(6)解決策としての「ウクライナ中立」「ウクライナはイニシアティヴをとって、いかなる軍事同盟にも加盟しない中立国として振る舞う意思を声明すべきである。同国は、NATOの加盟国にならないこと、あるいはロシアが主導する集団安全保障条約機構に加わらないことを公式に宣言すべきである…もしキーウが自分自身でそのように動けば、アメリカとNATO同盟国がロシアの脅迫に屈したと非難されることはないだろう」
「ウクライナ人にとって、ロシアがすぐ隣にいる中立国として暮らすことは、まったくもって理想的な状況ではない。しかし、自国の地政学的位置を考えれば、それはウクライナが現実的に望みうる最善の結果なのだ…1992年から2008年の間、すなわちNATOが愚かにもウクライナを同盟に加えるだろうことを公表したこの年まで、ウクライナがうまく中立を保っていたことは思い出すに値する。この期間のいかなる時点においても、同国は侵略の深刻なリスクに直面していなかった。だが、反ロシアの感情がウクライナの大部分で高まっている今となっては、この可能性のある出口ランプにたどり着ける可能性は低くなっている」