――本当にその通りだと思います。最後に、昆虫共生研究の面白さはどんなところですか?

森山:生き物と生き物のインタラクションって知れば知るほど複雑だし、人間関係にもどこか通じるところがあると思うんですよね。

生き物と生き物がうまく手を携えて生きていく。見た目だけ仲良くするっていうのじゃなくて、本質的にどういうふうにあればお互いが仲良くWin-Winの関係を築けるのか?そういうものを学ぶ機会にもなると思うんです。そういう意味でも共生研究は楽しい分野だと思っています。

 

昆虫は身近な存在だけにわかったつもりになってしまいがちですが、実はいまだに解明されていないことが多く、昆虫の世界は謎だらけです。

もしかしたらちょっと疑問に思って調べたことが、大発見につながるかもしれません。

虫が苦手な人や大人になって興味が薄れてしまった人も、一歩踏み出してみると今までの誤解が解けたり、面白い知識に出会ったりすることができるかもしれませんね。

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ライター

門屋 希実: 大学では遺伝学、鯨類学を専攻。得意なジャンルは生物学ですが、脳科学、心理学などにも興味を持っています。科学のおもしろさをわかりやすくお伝えし、もっと日常に科学を落とし込むことを目指しています。趣味は釣り。クロカジキの横に寝転んで写真を撮ることが夢。

編集者

産総研マガジン編集部: 日本最大級の国立研究機関、産業技術総合研究所。通称:産総研。ぶらぶら歩いてその土地の地質を紹介する番組に出演したり、腰の筋トレに役立つ「あえて歩きにくい靴」を運動靴メーカーと共同開発したり。「さんそうけん」の名前を知らないあなたの身近にも、すでに研究成果が生かされている…そんな研究所です。