懸賞生活の番組は世界中ではやるリアリティーショーの先駆けだった。草分け番組「ビッグブラザー」(オランダで1999年初放送、英国では2000年から)の前だ。ジム・キャリーが24時間その生活を監視される男性の役を演じた映画「トゥルーマン・ショー」が米国で公開されたのは1998年6月。「電波少年的懸賞生活」はその数カ月前に始まっている。
ここ数年を振り返ると、私たちは職場での上下関係がセクハラあるいは性加害に発展した実例をいくつも目にしてきた。米映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインによる性加害の告発をきっかけに世界的に広がったMeToo運動、故ジャニー・喜多川による性的搾取(「ジャニーズ問題」)の暴露、中居・フジテレビ問題で明確になったエンタメ界の不合理な力関係や癒着問題などが思い起こされる。
これからは、力のある人が他者にプレッシャーをかける、あるいは本人に自分の身に何が起きるかを十分に知らせないで何かをさせる行為を繰り返さない・繰り返させないようにするために、私たち一人一人が気を付けていこう。安心して生き、働くことができる社会を維持していこう。
「ザ・コンテスタント」、ぜひ日本でも視聴できるようにしていただきたい。

「ザ・コンテスタント」で当時と現在の心境を語る、なすび氏(Huluのウェブサイトから、キャプチャー)
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編集部より:この記事は、在英ジャーナリスト小林恭子氏のブログ「英国メディア・ウオッチ」2025年6月25日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「英国メディア・ウオッチ」をご覧ください。