その認定は社会調査協会が定めた、以下の「社会調査士資格の標準カリキュラム」

【A】社会調査の基本的事項に関する科目 【B】調査設計と実施方法に関する科目 【C】基本的な資料とデータの分析に関する科目 【D】社会調査に必要な統計学に関する科目 【E】多変量解析の方法に関する科目 【F】質的な調査と分析の方法に関する科目 【G】社会調査を実際に経験し学習する科目 ※【E】と【F】は、どちらかを選択

を大学在学中に学び、単位を取得することが前提になっている。必修科目が多いため、社会学専攻の学生も忙しいが、通常は数名しかいない社会学スタッフもまたこの対応により多忙を極める。

【E】か【F】は社会調査実習

とりわけ【E】か【F】は文字通りの社会学実習であり、主に夏休みを使いながら、学生引率の調査旅行が例年繰り返されてきた。

この区別を簡単に説明すると、【E】は住民票からのランダムサンプリングにより選んだ対象者を訪問して、または調査調査票を使って面接するか、調査票を郵送して設問に答えていただき、その回答の集計をSASやSPSSなどのパソコンソフトを使って学生が行ない、テーマに沿ってデータ分析をする作業を軸とする。

ただし、大学の社会学部や社会学科には授業時に使えるこの実習予算はないので、担当教授(もしくは准教授)が「科学研究費」を得ている時に行うしかない大変な費用と時間がかかる実習である。

インタビュー調査

また、【F】は最初に実習受講者全員と相談して、全体のテーマを担当者の専門に近い分野、私であれば「子育て支援」や「高齢者の生きがい」などに問題を絞り込む。なぜなら、20名程度の実習生が勝手なテーマを選んでも、そのテーマに即したインタビュー相手が10人~20人得られるかどうかは不明だからである。

この背景には、学生の大半がテーマに関連する施設を知らない、インタビュー調査の依頼ができないという事情がある。

担当者の人脈でインタビュー調査の施設選び