驚異の顧客エンゲージメントと4000億ドル市場への挑戦
2025年第1四半期において、月に6つ以上のプロダクトを利用するエンゲージメントの高いメンバーは、全アクティブメンバーの平均と比較して、1.8倍のARPAM(アクティブメンバー1人あたり平均収益)を生み出している。顧客がChimeのエコシステムに深く関与するほど、収益性が高まるという好循環ができているというわけだ。
強力な既存の顧客基盤は、効率的な新規顧客獲得にも繋がっている。2022年以降、新規アクティブメンバーの獲得チャネルで最も大きいのは、既存メンバーからの紹介だという。サービスに満足する顧客が新たな顧客を呼び込むという、理想的な成長サイクルといえる。
狙う市場は巨大だ。現在の主力ターゲットである年収10万ドル以下の層だけでも、860億ドルのServiceable Addressable Market (SAM) が存在すると試算。これは現在のChimeの売上規模の約50倍に相当し、成長余地は極めて大きい。
2024年には法人向けサービス「Chime Enterprise」を立ち上げ、従業員の福利厚生プログラムとしてMyPayなどを提供する「Chime Workplace」を開始。BtoBtoCモデルで、効率的に新規メンバーを獲得する新たなチャネルも開拓している。
(文=干場健太郎)