ABEMAを運営する株式会社AbemaTVの社長は、町田ゼルビアのオーナーでもある藤田晋氏だ。カタールW杯の放映権を買ったことで、配信プラットフォームとしての存在感を高めた。しかし、そうした大型投資の影響もあり、親会社であるサイバーエージェントのメディア事業は2023年9月期第1四半期に約93億円の営業赤字を計上した。

よって、ABEMA単独での独占放映権獲得は資金面で難しく、無料配信の試合数拡大には限界があると予想する。他社との提携やサブライセンス提供が現実的だが、全体の試合数をカバーできるかには疑問が残る。


Amazonプライムビデオ 写真:Getty Images

Amazonプライムビデオ:圧倒的な資金力と配信インフラ

Amazonプライムビデオも、2024/25シーズンにスカパーのサブライセンスで「ブンデスリーガLIVE」(月額2,350円)を提供し全試合を配信。プライム会員(年額5,900円または月額600円)向けの低価格オプションとして人気を集めた。海外ではプレミアリーグや欧州CLの配信実績もある。

Amazonの資金力と配信インフラは圧倒的で、これまでの実績から見て放映権料を負担できる体力がある。プライム会員向けの統合サービスとして提供すれば、コストパフォーマンスも高い。スマートテレビやFire TV Stickなど、多様なデバイスに対応している点も強みとなる。

一方で、スポーツ配信に積極的だが、MLB(メジャーリーグ)やプロ野球、モータースポーツ、ボクシングのイメージが強く、日本でのサッカー中継はまだ馴染みがない。ブンデスリーガ全試合の独占配信には、新たなプランの設定が迫られる可能性がある。サッカーコンテンツへの本気度が不明なため、参入の可能性はそう高くはないのではないだろうか。


プレミアリーグ
プレミアリーグ 写真:Getty Images

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