当初は映画やドラマの配信が中心だったが、近年ではサッカーコンテンツの拡充に力を入れている。2024/25シーズンはプレミアリーグとラ・リーガの独占配信を開始し、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)、スーペルコパ・デ・エスパーニャ(スペインスーパーカップ)、FAカップも配信。一気に欧州サッカー配信のトップに躍り出た。ブンデスリーガの放映権獲得は同社の経営戦略に合致するだろう。

U-NEXTは、サッカーパック単体では月額2,600円だが、毎月1,200円分のポイントが付与され、実質月額1,400円で利用できる。豊富なサッカーコンテンツを提供しており、ブンデスリーガを追加することでさらなる契約者の伸びが期待される。放映権を最大限に活用したオリジナルコンテンツも制作しているため、二次使用による特集番組にも期待したい。

一方、スポーツ配信事業への参入が比較的新しく、知名度の点ではDAZNにまだ届いていない。さらに高額な放映権料は月額料金の値上げや新プラン創設を必要とする可能性がある。しかしながら、サッカーコンテンツ拡大に意欲的で、ブンデスリーガ放映権獲得によってブランド強化に繋がり、DAZNに追い付き追い越す可能性もあるだろう。

ABEMA 写真:Getty Images

ABEMA:カタールW杯全無料配信で知名度上昇

2022年のFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の全試合無料配信で知名度を上げ、スポーツ中継にも力を入れているABEMA。スカパーのサブライセンスを受け、2024/25シーズンにブンデスリーガの毎節1試合を無料配信し、日本人選手の試合を中心に好評だった。スカパー撤退に伴い2025/26シーズンの配信は未定だが、ブンデスリーガの配信ノウハウを持つ。

ABEMAの無料配信モデルは新規視聴者獲得に有効で、広告収入による収益化が強みだ。プレミアムプラン(月額960円/2024年11月以降は広告なしプランが1080円、広告付プランは580円)は見逃し配信にも対応している。