これまではスカパー!が独占放映権を持ち、ABEMAやAmazonプライムビデオにサブライセンスを提供する形を取ってきた。2025/26シーズンの放映権は宙に浮いている状態だが、水面下では激しい放映権獲得競争が繰り広げられているだろう。新たな企業がどのような配信形態を取るのか、ファンにとっては料金や視聴環境も含めた大きな関心事である。


DAZN 写真:Getty Images

DAZN:スポーツ配信のトップランナー

DAZNはスポーツに特化したサブスクサービスとして、日本国内で圧倒的なシェアを持つ。サッカーでは現在、Jリーグ、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アンなどを配信しており、現在開催中のFIFAクラブワールドカップ(6月14日から7月13日)の全試合も独占無料配信している。

ブンデスリーガに関しては、2016-17、2017-18シーズンに放映権を保有していた過去があり、DFBポカール(ドイツカップ)は現在も独占配信中である。

DAZNのメリットは、スポーツ配信のトップランナーとしての実績やインフラが整っている点だ。ブンデスリーガの日本人選手の試合を中心に、既存のファン層に訴求しやすいだろう。

課題として挙げられるのは、すでに多くのリーグの放映権を抱えているため、さらなる高額な放映権料負担は値上げに繋がるリスクがある点だ。ただでさえ度重なる値上げ(2024年2月14日より月間プラン月4,200円)によってユーザーから不満の声が上がっている。「値上げ無し」という前提に立てば、積極的に動くかは不透明だ。


ラ・リーガ 写真:Getty Images

U-NEXT:サッカーコンテンツ拡大に意欲的

U-NEXTの歴史を遡ると、その萌芽は1961年創業の「有線音楽放送」という、当時全く新しいサブスクサービスを展開した株式会社USEN(1964年創立当初は株式会社大阪有線放送社)に辿り着く。2007年6月に動画配信サービス「GyaO NEXT」としてサービスを開始し、2009年にU-NEXTに名称を変更。2023年には「Paravi」と経営統合した。