一方、別れを告げられる側(レシーバー)は、別れの約2ヶ月前になってようやく満足度の急低下が見られるケースが多かったのです。

しかしいったん低下し始めると、その落ち込み方は切り出す側よりも急激で大きなものになる傾向も示されています。

この違いは、「心が離れ始めるタイミング」においてパートナー間でズレが生じることをデータが裏付けたものと言えるでしょう。

まさに「切り出す側と切り出される側の心のタイムラグ」が数字の上でも確認された形です。

他にも、年齢や婚姻状況などが満足度低下パターンに及ぼす影響も検討されました。

例えば一部のデータでは「結婚している方が急激な低下が緩やかになる」といった傾向が見られた一方、別のデータでは逆に「結婚している方が急落が大きい」と出るなど、結果はまちまちでした。

性別や過去の恋愛経験についても、全体として一貫した差は確認されていません。

このように個人属性による違いは多少あるものの、満足度低下がプレ終末期と終末期の二段階をたどるという大局的なパターンは、いずれのデータでも一貫して観察されたのです。

なお、過去の関連研究では「カップルは関係満足度が最大値の約65%程度まで低下すると別れを選ぶ傾向がある」とも報告されています(0〜10の満足度尺度で6.5)。

もちろん、この数値は統計上の目安ですが、満足度低下がどの程度進むと取り返しがつかなくなるのかを示す興味深い指標と言えるでしょう。

今すぐできる破局リスク回避

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今すぐできる破局リスク回避 / Credit:Canva

今回の研究によって、恋愛関係が終わりに向かう典型的なパターンが初めて明確に示されました。

それは「ゆるやかな侵食の後、別れの約1~2年前頃から満足度が急降下する」という二段階のプロセスです。

この発見は、「別れ話が出る前からすでに関係の破綻は始まっている」ことをデータで裏付けるものです。

実際、「最近うまくいっていない」と感じつつも関係を続けているカップルでは、知らぬ間に別れへのカウントダウンが進行している可能性があります。