浪漫主義に陥り、勝手に当事者になり代わらずとも、困難な現実から目を逸らさずに、共感を持って世界の課題を語ることは十分にできる。「猥褻さ」から遠く離れた、本来の論壇とはどういうものかをぜひ見てほしい。
書かれてから半世紀を超えて初めて、「このことだったのか!」と真価がわかる言葉がある。それが連なった書物を古典、その新たな読み解きを批評と呼ぶ。いま私たちが必要とするものは、日々使い捨てられては消えるポルノ広告のような、「ホットイシュー」やバズりとは対極にある。
(ヘッダーは、ラジオ・フランスの番組より)
編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2025年6月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。