「TrueMotion」によりユーザーの動きをリアルタイムで分析

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(画像=Hinge Healthのサービス「TrueMotion」(公式サイトより))

・AIモーショントラッキング「TrueMotion」: 特別なセンサーは不要。スマホのカメラだけで身体の100以上のポイントを3Dで認識し、運動フォームの正確性をリアルタイムでフィードバックする。これにより利用者は自宅にいながら専門家の指導を受けているかのような体験を得られる。

・FDA認可の疼痛緩和デバイス「Enso」: 痛みが強く運動が困難な利用者には、FDAの認可を受けた独自のウェアラブルデバイス「Enso」を提供。電気刺激を神経に送ることで手術もせず薬物も使わずに痛みを和らげ、運動療法の継続をサポートする。

・AIサポート付きケアチーム:ユーザーのリハビリ行動を理学療法士、医師、ヘルスコーチからなる専門家チームが遠隔でモニタリングする。ケアチームは、利用メンバーの医療情報を要約してメッセージの下書きを自動生成してくれる「Care Team Assistant」という生成AIツールを活用。単純作業を効率化することで、より人間にしかできないコミュニケーションに時間を割くことができる。

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(画像=『Business Journal』より引用)

 同社のプラットフォームでは、100万人以上のユーザーによる累計7400万回以上のアクティビティセッションと3200万件以上の成果ログが記録されている。このデータセットの大きさこそがAIモデルを継続的に強化し、より精度の高いパーソナライゼーションを実現する「正のフィードバックループ」の源である。

 また「HingeConnect」という独自のデータ統合エンジンを開発しており、全米75万以上の医療提供者のEHR(電子健康記録)と連携し、メンバーの医療情報をリアルタイムで把握できる。これにより、例えば手術を検討しているような高リスクのメンバーを早期に特定し、より低コストで効果的な自社のプログラムへと誘導することが可能になる。競合の追随を許さない「Moat(堀)」として機能するというわけだ。