水戸のホームスタジアムであるケーズデンキスタジアム水戸は、長らく基準を満たしていなかったが、クラブと行政、サポーターが一体となり、改修に向けた働きかけを続けた結果、ついに悲願のJ1クラブライセンスが交付された。
J1ライセンスが交付されたことは、選手たちのモチベーションを大いに高めたはずだ。水戸サポーターの声援もかつてないほどの熱を帯びている。クラブ、選手、サポーター全てが「J1」という夢を共有し、ホームで一体となって戦っている。
とは言え、シーズンはまだ道半ばだ。これから迎える真夏の過酷な連戦、そして大宮や千葉といった強敵たちとの熾烈な直接対決が待ち受けている。上位を走るが故のプレッシャーも、これまで以上に大きくなるだろう。
しかし今の水戸には、これらの困難を乗り越えられるだけの力が備わっており、リアリストでありながら情熱を秘めた指揮官もいる。個々の能力と組織力が高いレベルで融合した選手たちがいる。そして、どんな時もチームを信じ、支え続ける温かいサポーターと、安定したクラブの土台がある。
クラブ創設から30年。水戸が悲願であるJ1の舞台に立つ。それはもはや遠い夢物語ではない。J1復帰を目指すクラブの壁として存在感を発揮していたクラブが、今度はJ2の勢力図を塗り替え、新たな歴史を刻もうとしている。リーグ戦7連勝、11戦負けなしと無双状態にある水戸だが、この勢いのままJ1初昇格を成し遂げるのか、彼らの挑戦から目が離せない。