現在6試合負けなしと堅実なゲームが続くが、長谷川監督の采配に対する疑問は多い。ルヴァン杯でもJ2カターレ富山に敗れたことで、サポーターからの解任論はやんでいない。山口素弘GMは「今のところ考えていない」と語ったが、この状況が続けば監督交代は避けられないだろう。長谷川監督の解任を見越して、複数のJ2クラブが水面下で招聘を狙っているとまで言われている。

何しろ名古屋はJリーグきってのビッグクラブだ。後任候補としては、Jリーグでの経験が豊富な監督か、アッと驚くような外国人監督の招聘に動く可能性もある。


樹森大介監督 写真:Getty Images

アルビレックス新潟:樹森大介監督

J1での監督は初挑戦の47歳、樹森大介監督。アルビレックス新潟で松橋力蔵前監督(現FC東京)が築いたパスサッカーを継承しつつ成長させる期待を背負ったが、J1第19節終了時点(18試合)で3勝7分け8敗、勝ち点16で19位と降格圏に沈んでおり、解任に“リーチ”が掛かった状態だ。

サポーターからは「自ら身を引くべき」といった声が上がり、戦術やチームマネジメントに対する批判が強まっている。さらには「J1どころかプロクラブ未経験監督のキャリア作りのための踏み台にされたくない」といった声や「クラブ史上最低の監督」のレッテルも貼られる始末。サポーターの批判と圧力は、クラブ運営にも悪影響を与える可能性がある。

就任会見では、新潟のポゼッション重視のスタイルを継承する方針を示しつつ「攻守の切り替えの遅さ」や「ゴール前での精度不足」を改善ポイントとして挙げていた樹森監督。しかしこれらの課題が解消されている様子はなく、戦術的な限界が解任を求められている要因となっている。

J2水戸ホーリーホックのコーチやユース監督としての実績しかなかった樹森監督の選任は、寺川能人強化部長を中心とした戦略的な決断だった。就任当初はサポーターもクラブの長期的なビジョンを支持していたが、ここまで負けが込むと「長期的なスタイルの確立」などとは言っていられないことは明らかだろう。