それは、誤った官製統計を修正せず、自らの判断ミスを検証しようとしない農水省の内側だ。

真に問うべきは、現場の実感と乖離した作況指数の誤りと、それを前提にした誤った需給情報や政策判断、さらにそれを訂正もせず民間に責任を転嫁しようとする、ブラックボックス化した行政組織の“無謬性”のほうである。

< 小泉農相の一連の言動は、コメ市場の主体である生産や流通に寄り添うものではなく、消費者受けや選挙を意識した政治的パフォーマンスにすぎない。

だが、たとえ一時的に一般の消費者を騙せても、卸や農家といったプロの目は欺けない。その軽率な発言と責任転嫁は、現場でコメを支える人々への裏切りであり、日本のコメ全体の信頼と矜持を損なう行為である。

編集部より:この記事は、浅川芳裕氏のnote 2025年6月8日の記事を転載させていただきました。オリジナルをお読みになりたい方は浅川芳裕氏のnoteをご覧ください。