わずか2日間で巡った大阪の3つのJリーグクラブ。FC大阪の地域密着の温かさ、G大阪のビッグクラブならではの熱狂、そしてC大阪のスマートなスタジアムとサポーターの一体感。それぞれが全く異なる個性と魅力を放っており、大阪のサッカー文化の奥深さを改めて感じさせられた。

加えて、「大阪人は阪神タイガースにしか関心がない」と刷り込まれたイメージが、民放テレビ局などのオールドメディアによって拡散された間違った偏見だったことにも気付かされた。

FC大阪が見せる「身の丈に合った地道な歩み」は、Jリーグが目指すべき地域貢献の一つの理想形かもしれない。G大阪の圧倒的なスケールと熱量は、Jリーグを牽引する存在としての矜持を感じさせる。そしてC大阪は、アクセスの良さと専用スタジアムの魅力で、“セレ女”と呼ばれる女性ファンなど新たな客層を着実に開拓している。

どのクラブも、それぞれのやり方で地元に愛され、サッカーというスポーツを通じて人々に夢や感動を与えている。大阪という街がこれほど多様なサッカー文化を育んでいることに改めて驚きを感じた。もはや世界有数のサッカータウンと言えるだろう。この素晴らしい体験によって、また新たなスタジアムへと足を運びたくなる。そんな思いを強くした2日間だった。

もう1つ付け加えるとすれば、少し足を伸ばせば東には京都サンガがあり、西にはヴィッセル神戸がある。この2クラブもサッカー専用スタジアムをホームとおり、アクセス面も申し分ない。あまりにも観戦環境に恵まれすぎて、子ども時代から“専スタ慣れ”している関西の人々は、仮に上京してJリーグを見ようとするならば、陸上トラック付きや老朽化したスタジアムの多さに愕然とするのではないかと余計な心配をしてしまうほどだ。

偶然に日程が重なったことで実現したハシゴ観戦。首都圏同様、他の数多くの娯楽とも闘わなければならない中にあって、集客面でも大健闘していることが理解でき、さらに伸びしろも感じさせる、実り多い旅となった。