「ガンバさんやセレッソさんのことは、もちろんリスペクトしています。でも、ライバルだなんておこがましい。向こうもそんな意識はないでしょう。FC大阪はこの東大阪市を中心に、地域の方々に応援してもらいながら、地道に一歩一歩進んでいくだけですよ」

その言葉には、等身大のクラブであろうとする謙虚さと、地元への深い愛情が感じられた。両J1クラブのような派手さはないかもしれないが、地域と共に歩むという確固たる意志が、FC大阪の最大の魅力なのだろう。試合は意外なほどにFC大阪が一方的な勝利を収め単独首位の座を守ったが、勝敗以上に、この温かいコミュニティーに触れられたことが大きな収穫だった。


パナソニックスタジアム吹田 写真:Getty Images

ガンバ大阪:西日本随一のビッグクラブ、熱狂とスタジアムアクセスの狭間で

5月31日:対鹿島アントラーズ(パナソニックスタジアム吹田/0-1)

FC大阪の試合の余韻に浸る暇もなく、その足で次の目的地、パナソニックスタジアム吹田へと向かう。大阪府の端から端へ“中2時間”での移動に不安はあったが、関西ナンバーワンの人気を誇るガンバ大阪がJ1首位の鹿島アントラーズを迎えるビッグマッチだ。まさに「ハシゴ観戦」の醍醐味である。

しかし、ここで大きな壁に直面する。スタジアムアクセスだ。FC大阪のホームの花園ラグビー場へは非常にスムーズに到着できたのとは対照的に、パナソニックスタジアム吹田への道のりが壁となる。最寄りの万博記念公園駅からは徒歩で20分以上(公式サイトでは15分とある)かかり、JR茨木駅からシャトルバスの運行もあるものの、試合前後は長蛇の列とのこと。万博記念公園駅からの徒歩ルートは階段の連続で、まるでハイキングコースだ。以前の万博記念競技場が公園東口駅の目の前にあったこともあるが、正直このアクセスは大きなマイナスポイントと言わざるを得ない。