スタジアムの規模はパナスタに比べるとコンパクトだが、特筆すべきはその臨場感だ。サッカー専用スタジアムならではのピッチとの近さ、そしてどの席からも死角なく試合を堪能できる設計は素晴らしい。選手たちの息遣いまで聞こえてきそうな距離感は、サッカー観戦の醍醐味を存分に味わわせてくれる。

C大阪のサポーターの雰囲気は、G大阪とはまた違った趣があった。まず感じたのは、女性サポーターの多さだ。華やかなユニフォーム姿の女性たちが、熱心に声援を送る姿が目立つ。応援のスタイルも、G大阪のような圧倒的な声量と威圧感というよりは、チームを温かく見守り一体となって後押しするような、どこか優しさを感じるものだった。ギスギスした雰囲気は全くなく、スタジアム全体が“楽しもう”というポジティブな空気に満ちている。

興味深かったのは、C大阪サポーターにG大阪の印象を尋ねた際の反応だ。「ガンバのサポーターは少しガラが悪いというか…」「ちょっと怖いイメージがありますね」といった声が少なからず聞かれた。これは、両クラブが歩んできた歴史的なライバル関係や、応援スタイルの違いからくるものだろう。どちらが良い悪いという話ではなく、それぞれのクラブが持つ独自のカラーが、サポーターの気質にも反映されているのだと感じた。

ヨドコウ桜スタジアムは、試合の見やすさ、アクセスの良さ、そして温かくも熱いサポーターの応援が融合した、非常に魅力的な空間だった。それは、昨年までC大阪に在籍していた清水MFカピシャーバが紹介された際に拍手で応えた一方、2022年6月、当時の小菊昭雄監督(現サガン鳥栖監督)とのイザコサをきっかけとした規律違反により退団に至った清水MF乾貴士に対しては、愛と皮肉を込めたブーイングで迎えたことからも分かる。

C大阪は、この試合を最後にオーストリア1部RBザルツブルクへ完全移籍するMF北野颯太を気持ち良く送り出そうと奮起。20,864人もの観客を飲み込み、北野のPK失敗、VARによる2度のゴール取り消しがありながらも清水を圧倒し、試合後は“フィエスタ”と化した。


セレッソ大阪 写真:Getty Images

結論:三者三様の輝き、大阪サッカー界の奥深さを知る旅