現在、Jリーグは放映権を一括管理し、DAZNとの契約金(2023年から2033年までの11年契約で総額約2,395億円)を各クラブに配分している。その配分は順位などによって変動するが、Jリーグにおける人気クラブとそうでないクラブの格差は、先んじてプレミアリーグを形にしたイングランドほどではない。
また、イングランドのプレミアリーグは従前のイングランド・フットボールリーグ(EFL)1部の22クラブが横滑りする形でスタートを切った(1995年に20クラブに削減)が、Jリーグで計画されているプレミアリーグ構想は、現在のJ1クラブをほぼ半減させ、国際的な競争力と上げようとする野心的な試みだ。
これが実行されれば当然、資金力や集客力で劣るクラブはこぼれ落ちることになり、この点こそが改革に踏み切れない大きな要因となっていると思われる。
Jリーグプレミアリーグ構想は、J1の20クラブから数を絞り込み、よりエリート主義的なリーグ構造を目指す可能性が高い。開始時期については、2033年までDAZNとの放映権契約が残されていることから、それ以降となる公算が高い。それまで慎重な議論が続けられることになると思われる。

選考クラブの人気を測る重要な指標
Jリーグプレミアリーグ構想を実現する上で、まずクリアすべき課題が参加クラブの選出方法だ。選出基準やプロセスが“ブラックボックス”では、構想そのものの信用性が担保できず、計画自体が頓挫しかねない。
プレミアリーグに選出されたクラブは、Jリーグの顔として国内外にその価値を発信する役割を担うことになる。そのため、単に競技レベルが高いだけでなく、経営の安定性、集客力、施設、育成体制、地域貢献といった多角的な観点から、真にトップリーグにふさわしいクラブが選ばれる必要がある。選出基準として、主に以下の要素が複合的にかつ総合的に判断されるだろう。