
J1リーグの上位に、プレミアリーグを新設するという構想がある。J1のクラブ数を減らし、より上位のリーグを形成することで、リーグ全体のレベルアップや経営規模の拡大を目指すというものだ。
2010年、Jリーグチェアマンが鬼武健二氏(第3代)から大東和美氏(第4代)に交代したタイミングで、J1クラブの中から8~10クラブを選抜することが検討されていると報じられた。また、2014年に第5代チェアマンに就任した村井満氏は、リーグの抜本的な改革を検討する「リプランニング推進サポートチーム」の中にプレミアリーグ構想を盛り込み、クラブ数を10~14とする案を示した。
これを引き継いだのが、2022年に就任した現在の第6代チェアマン野々村芳和氏だ。野々村氏は「本気で競争しないといけない時期に来ている」と語り、Jリーグが30年以上維持してきた「護送船団方式」からの脱却を示唆。また、現在はJリーグが試合の放映権を一括管理してるところ、各クラブがより積極的に収益を上げ、独自の戦略を立てられるようにする案なども検討される見通しだった。
ここでは、Jリーグにおけるプレミアリーグ構想の概要と、その核心となるクラブ選出の基準やプロセスについて示していきたい。

Jリーグプレミアリーグ構想の主な目的
1993年の開幕以来Jリーグは着実に成長を遂げ、2024年度のクラブ総売上高は過去最高の1,629億円を記録した。しかし、創設年がたった1年しか違わないイングランドのプレミアリーグの2022/23シーズンの総売上高は60億5800万ポンド(約1兆1,500億円)。実に10倍近くもの差だ。もちろん、英国民にとってフットボールとは国技であり、その人気やプレーレベルに圧倒的な差があることも理由の1つだろう。