結果、12 対のマウスが 24 時間以上生存していることが確認できました。

また移植後 1.5 ~ 2 時間以内に、両方のマウスが意識を取り戻し、まばたきやひげの動きなど、脳神経反射が活性化されました。

結合マウスのバイタルサインは前回と比べて大幅に安定している
結合マウスのバイタルサインは前回と比べて大幅に安定している / Credit:Xiao-Ping Ren et al . Head Transplantation in Mouse Model . CNS Neuroscience & Therapeutics (2015)

さらに手術前と手術後で脳波と心電図を調べたところ以前の研究よりもより正常な電気生理学的活動を示していました。

両方のマウスの脳を無傷にしたまま、頸動脈と経静脈を分け合うというアイディアが上手く機能していることを示しています。

双頭かつ前脚だけが4本あるマウス

頭を提供するマウスの切断部分が上腕部を含むかなり下のほうに設定された
頭を提供するマウスの切断部分が上腕部を含むかなり下のほうに設定された / Credit:Peng‐Wei Li et al . A cross‐circulated bicephalic model of head transplantation . CNS Neuroscience & Therapeutics (2017)

2017年に発表された研究では、さらなる改善が行われました。

まず頭部を提供するラットは、以前の実験に比べて頭部からより離れた位置で切断されました。

完成図をみると頭を提供するラットは頭部だけでなく前腕部も含めて移植されているのがわかります。

こうすることで高い圧力がかかる頸動脈を傷つけずに済むため、実験の難易度が大幅に軽減されました。

また第三のラットがポンプ装置と一緒に用意されている点も異なります。

第三の血液供給用のマウスは文字通り血液を与えるために実験に参加している
第三の血液供給用のマウスは文字通り血液を与えるために実験に参加している / Credit:Peng‐Wei Li et al . A cross‐circulated bicephalic model of head transplantation . CNS Neuroscience & Therapeutics (2017)