また研究では手術前と手術後で、頭部を提供するマウスの脳波と体を提供するマウスの心電図が記録されていました。

手術の前後で脳波と心電図にかなりの違いがみられましたが、手術後も両方の活動が続いていたことが示されました。
また一般に、脳を除去するなど中枢神経に異常が発生すると「徐脳硬直」と呼ばれる四肢の硬直が起こりますが、今回の研究ではみられませんでした。
一方で研究では生存時間が3時間と比較的短く、技術的課題も残されました。
頭部移植で双頭マウスを作る
2015年に発表された研究では、より洗練された方法が使われました。
以前の研究では、体を提供するマウスは脳を前後で切断され、体には脳幹を中心とした僅かな脳しか残されませんでした。
しかし新たな研究ではこの点が改良され、両方の脳が無傷のままであり、血管の結合場所も工夫が行われました。

人間やマウスの体には首の左側と右側に頸動脈と経静脈のセットがそれぞれ存在しています。
実験ではこの2セットを体を提供するマウスと頭部を提供するマウスの両方に割り振ることで、両方のマウス脳の生存を目指しました。
