乱雑に物をばらまいたようなシミュレーションでも、各物体があり得る安定姿勢で配置されれば現実感が増すでしょう。
今回の技術は、数学的な解析とコンピュータグラフィックスを組み合わせることで、偶然任せだった「転がり」の振る舞いを思い通りにデザインできることを示しました。
「どんなものでもサイコロになり得る」という発想は私たちの直感を覆すものです。
クレイン氏は本研究について「物理シミュレーションでは到底見つからない新しいタイプのサイコロを発見できた」と述べており、今後さらなる形状の探求に意欲を見せています。
私たちの身の回りのあらゆる物が“運命を占うサイコロ”になる日が来るかもしれません。
科学と遊び心が融合したこの研究は、確率とデザインの新たな可能性を切り開いたと言えるでしょう。
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元論文
Putting Rigid Bodies to Rest
https://www.cs.cmu.edu/~kmcrane/Projects/RestingBodies/PuttingRigidBodiesToRest.pdf
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部