(※思い切り地面に叩きつけるような異常なバウンドをすると、ドラゴン型サイコロの足や翼などがモデル予測を超えた曲がりや反発が起こるためだと考えられます)
またモデル予測の精度は100%にはまだ届いておらず、全体で3~4%程度のズレもみられました。
この点について研究チームは、今後より精緻なモデルで改善していきたいと述べています。
広がる「サイコロ化」アイデア

この研究が示すように、もはやサイコロの形は自由自在です。
ゲームデザイナーや愛好家にとっては、自分の創造したキャラクターやオブジェクトそのものをサイコロとして使える未来が開けたと言えるでしょう。
クレイン氏はSNSでも「ドラゴンのような複雑な形でも公平なサイコロにできる。それがまさに我々の達成したことだ」と強調しています。
見た目がユニークでありながら確率的にフェアなサイコロや、逆に見かけは普通でも狙った目が出やすいサイコロを作れるのですから、ボードゲームやテーブルトークRPGの世界では大きなインパクトがあるでしょう。
例えばTRPGのダンジョンズ&ドラゴンズではドラゴン型のサイコロ、すごろくや双六ではマスコットキャラ型のサイコロ、といった具合にテーマ性の高いグッズ展開も夢ではありません。
さらに、サイコロ以外への応用可能性も考えられます。
物体の安定性や転がり方を制御する設計技術として見れば、製品開発やロボット工学にも役立つかもしれません。
たとえば梱包材やおもちゃを設計する際に「必ずこの面が上になるような形状」に作ることで、中身が破損しにくくしたり見栄えを保ったりできる可能性があります。
実際、研究チームは「自然なシーンをCGで生成する際に、置かれたオブジェクトがどんな配向で落ち着くかを確率分布として与える用途」なども提案しています。