4. 風に弱いトンボ型ドローン「インセクトホプター計画」

CIAが本気で開発した「動物スパイ部隊」成功と失敗の珍作戦集!
(画像=画像は「Oddee」より,『TOCANA』より 引用)

 CIAがロボットスパイに変えたのはナマズだけではない。トンボもその対象となった。「インセクトホプター計画」は、秘密の会話を盗み聞きするための盗聴器を運ぶ、小型の遠隔操作昆虫型ドローンを作ろうというものだった。

 当初、ロボットはマルハナバチに似せる予定だったが、CIAはすぐにそれがまずい選択だと気づいた。マルハナバチは通常、予測不可能で不規則なパターンで飛ぶため、ホバリングしていると怪しまれる。さらに、ロボットバチが近づきすぎると、標的が刺されるのを恐れて叩き潰してしまう可能性もあった。

 そこでCIAは、インセクトホプターをトンボ型にモデルチェンジした。偽の翼を羽ばたかせて飛ぶレーザー誘導式のこのロボットは、本物のトンボのようにホバリングし、60秒で200ヤード(約183メートル)を高速移動できた。…風がなければ、の話だが。わずかな横風でもこの機械仕掛けの虫は最寄りの壁に吹き飛ばされてしまうことが判明し、CIAは静かに「インセクトホプター計画」を中止した。