冷戦時代は「スパイ戦争」と呼んでも差し支えないほど、諜報活動が活発だった時代だ。CIAとそのソ連の対抗組織であるKGBは、鉄のカーテンの向こう側で何が起きているのかを探るため、常に新しい、そして巧妙な方法を編み出していた。

 CIAが開発したスパイ技術の中には、実に独創的なものもあったが、一方で完全に突拍子もない計画も数多く存在した。例えば、フィデル・カストロをハゲさせようとしたり、超能力者を使って隠された財宝を発見しようとしたり…といった具合だ。そして時折、動物たちもその奇妙な陰謀に一役買うことになった。ここでは、CIAが何らかの形で動物を巻き込んだ風変わりなスパイ計画の6つの例を紹介しよう。

1. 伝書鳩カメラマン

CIAが本気で開発した「動物スパイ部隊」成功と失敗の珍作戦集!
(画像=画像は「CIA」より、『TOCANA』より 引用)

 秘密基地などの航空写真を入手できれば多くの情報が得られる。しかし、スパイ飛行機は発見されやすく、撃墜されれば国際問題に発展しかねない。そこでCIAは、訓練されたハトをカメラ運搬役として利用することを思いついた。

 CIAの工作員は、小型カメラを装着した小さなハーネスをハトの胸に取り付け、調査したい地域の近くで放った。ハトが巣に戻る間にカメラが写真を撮影し、スパイ飛行機よりもずっと近距離からの画像を入手できたという。ハトが選ばれたのは、訓練が比較的容易で、どこにでもいるため怪しまれにくいからだ。…といっても1960年代の目立つカメラを胸につけていなければ、の話だが。面白いことに、このハト計画の一部は未だに機密扱いだが、機密解除された文書はCIAのウェブサイトで見ることができる。