今回の成果は主に「身長」という一つの形質に焦点を当てたもので、筋力や持久力といった競技パフォーマンスに直結する指標は検証されていません。

したがって、現行のスポーツ規定(例:テストステロン基準)をただちに見直す根拠にはなりません。

しかし、今後ホルモン以外の遺伝的要因が他の身体能力にも影響することが明らかになれば、性別カテゴリーの定義を再考する議論が深まる可能性もあるでしょう。

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元論文

X and Y gene dosage effects are primary contributors to human sexual dimorphism: The case of height
https://doi.org/10.1073/pnas.2503039122

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部