倉本:この『論破という病』という本の中で水と油という話をしているんですけど、アメリカ側にマクロに見てこういう風にやっていった方がいいですよ、水場を探すにはこっちですよね、という部分が水の発想ですよね。その部分はそれ自体は結構いいと思うんですよ。日本にそういう要素が足りていないとはめっちゃ正しいと思うので。
一方でそれを実行に移すにあたって、「考える能力があるのはエリートだけ」という風な価値観が、日本の会社の良い部分を壊してしまうから、拒否反応が生まれてしまって、マクロに見た合理性が通用しなくなっちゃってるところがあると思うので。
そこの間を繋いでくれるのが識学さんなんじゃないかなと。
安藤社長:(笑)そうですね。
倉本:そこを繋いでくれて、ちゃんと水と油が混ざるようになると、合理性を持って水場はこっちですよ、こっちだったらいくらでも水あるよ・・という意思決定を適宜行いながら、ちゃんと現場レベルの人の効力感が失われないようになっていけるんじゃないかなという感じがありますね。
安藤社長:そうですね。
倉本:最近、花王にオアシスなんちゃらというシンガポールのファンドが株主提案をしていて、TOBとかはしていないんですけど、物言う株主としてこっちに行けという風なことを言っているんですよね。
で、YouTubeでアメリカ人のCEOが喋ってるのを見たり、花王はこうなるべきだというPDFの資料とかを読むと、結構、なるほどと思う部分もあるんですよ。他の同業者に比べてグローバルにちゃんと展開できていないとか、インフルエンサーマーケティングの時代に女性用化粧品を扱ってるのにそこの分野にちゃんと投資できてないとか・・・
大きく見た時にこっちに進むべきですよねと言っている内容自体はすごいなるほどなと思ったんですよね。ただそれをどうやって実現するのかという話になると、日本の組織の機能のしかたを全然分かっていないから、とりあえず無理やり役員を半分取っ替えろみたいなことしか提案できていない。